SESエンジニアとして働いている方の中には、「フリーランスになっても結局SESと変わらないのではないか」という疑問を持つ方が多くいます。どちらも客先常駐が中心で、実際の働き方に大きな違いがないように見えるため、わざわざフリーランスに転向する必要があるのか迷ってしまうでしょう。
しかし、SESとフリーランスには、契約形態や報酬体系、社会保障など、見えにくい部分で重要な違いが存在します。一方で、客先常駐という働き方や外部人材としての立場など、確かに変わらない点もあるため、両者の違いと共通点を正確に理解することが重要です。
この記事では、SESとフリーランスで変わらない点を明確にした上で、両者の基本的な違い、それぞれのメリット・デメリット、向き不向きについて詳しく解説していきます。フリーランスへの転向を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
SESとフリーランスで変わらない点
SESエンジニアとフリーランスエンジニアには、契約形態や報酬面で違いがある一方で、実際の働き方において変わらない点も存在します。ここでは、両者に共通する3つの特徴を紹介します。
- 客先常駐型の案件が多い
- 外部人材として参画する
- 働き方や裁量に大きな違いがない
これらの共通点があるため、「フリーランスになっても結局変わらない」と感じる方が多いのです。それぞれの特徴を理解することで、SESとフリーランスの本質的な違いを見極められるようになります。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
客先常駐型の案件が多い
SESエンジニアもフリーランスエンジニアも、クライアント企業のオフィスに常駐して働く案件が大半を占めます。リモートワーク案件も増えてはいますが、現状では客先常駐型の働き方が主流です。
客先常駐の特徴は、以下の通りです。
- クライアント企業のオフィスで勤務する
- クライアント企業の就業規則に従う場合が多い
- プロジェクトごとに勤務地が変わる
- チーム開発が中心となる
この点において、SESとフリーランスに実質的な違いはありません。どちらも外部のエンジニアとして、クライアント企業の現場で業務を行うため、働く環境や日常の業務内容はほぼ同じです。
外部人材として参画する
SESエンジニアもフリーランスエンジニアも、クライアント企業にとっては外部の人材として扱われます。正社員とは異なり、プロジェクト単位での参画となるため、社内の意思決定や経営に関わることはありません。
外部人材の立場には、以下の特徴があります。
- プロジェクトベースでの契約となる
- 社内の会議や意思決定には参加しない
- 正社員と比べて裁量が限定される場合がある
- プロジェクト終了後は別の現場に移る
SESの場合はSES企業に所属していますが、クライアント企業から見れば外部人材であることに変わりありません。フリーランスも個人事業主として外部から参画するため、クライアント企業での立場はSESと大きく変わらないのです。
働き方や裁量に大きな違いがない
SESとフリーランスでは、日々の働き方や業務上の裁量にほとんど違いがありません。どちらも指示された業務を遂行することが中心で、プロジェクト全体の方針や技術選定に関与できないケースが多いです。
働き方の共通点は、以下の通りです。
- 指示された業務を遂行することが中心
- 勤務時間はプロジェクトの規定に従う
- 技術選定やアーキテクチャは決定済みの場合が多い
- チームの一員として開発を進める
フリーランスになれば自由に働けると期待する方もいますが、客先常駐案件ではSESと同じように定時出社や決められた勤務時間を求められることがほとんどです。業務内容や働き方の自由度という点では、SESとフリーランスに大きな違いは生まれにくいでしょう。
SESとフリーランスの基本的な違い
SESとフリーランスには共通点がある一方で、契約形態や報酬体系、社会保障などで明確な違いが存在します。ここでは、両者を比較する上で重要な5つの違いを紹介します。
- 契約形態の違い
- 年収・報酬の違い
- マージン率の違い
- 社会保障の違い
- 案件選択の自由度の違い
これらの違いを理解することで、SESとフリーランスのどちらが自分に合っているかを判断できるようになります。表面的には似ていても、実質的には大きな差があるため、それぞれの特徴を正確に把握することが重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
契約形態の違い
SESとフリーランスでは、契約形態が根本的に異なります。SESは雇用契約、フリーランスは業務委託契約となり、この違いが報酬や働き方に大きな影響を与えます。
| 項目 | SES | フリーランス |
|---|---|---|
| 契約形態 | 雇用契約 | 業務委託契約(準委任契約) |
| 契約相手 | SES企業 | クライアント企業(またはエージェント) |
| 雇用関係 | SES企業の社員 | 個人事業主 |
| 給与形態 | 月給制 | 報酬制(月単位または時間単位) |
SESの場合、SES企業と雇用契約を結び、社員としてクライアント企業に派遣される形になります。一方、フリーランスはクライアント企業やエージェントと直接業務委託契約を結び、独立した事業者として業務を提供する立場です。
年収・報酬の違い
SESとフリーランスでは、年収や報酬に大きな差が生まれます。一般的に、フリーランスの方が年収を300万円以上高くできる可能性があり、これが転向を検討する大きな理由の一つです。
| 項目 | SES | フリーランス |
|---|---|---|
| 平均年収 | 400万円から550万円程度 | 600万円から900万円程度 |
| 収入の安定性 | 毎月固定給が支給される | 案件がなければ収入ゼロになる |
| 昇給の仕組み | 会社の評価制度に従う | 自分で単価交渉を行う |
| ボーナス | 企業によって支給される | なし(報酬に含まれる) |
SESでは会社が定めた給与体系に従うため、急激な年収アップは難しいですが、毎月安定した給与が保証されます。フリーランスは単価次第で高収入を実現できる一方で、案件が途切れれば収入がなくなるリスクも抱えることになるでしょう。
マージン率の違い
マージン率とは、クライアントが支払う報酬のうち、仲介企業が手数料として受け取る割合のことです。SESとフリーランスでは、このマージン率に約20ポイントの差があり、手取り額に大きく影響します。
| 項目 | SES | フリーランス |
|---|---|---|
| マージン率 | 30%から50%程度 | 10%から30%程度 |
| 手取り額(単価100万円の場合) | 50万円から70万円 | 70万円から90万円 |
| マージンの使途 | 営業活動、福利厚生、社会保険料、オフィス維持費など | エージェントの手数料のみ |
SES企業は営業活動や福利厚生、オフィス維持などのコストがかかるため、マージン率が高くなります。フリーランスの場合、エージェントを利用してもマージン率は低く抑えられ、同じ単価でもSESより20万円以上多く受け取れるケースが一般的です。
社会保障の違い
SESとフリーランスでは、社会保障の内容が大きく異なります。SESは会社員として手厚い保障を受けられる一方で、フリーランスは自分で全ての手続きを行い、保障内容も限定的です。
| 項目 | SES | フリーランス |
|---|---|---|
| 健康保険 | 会社の健康保険組合 | 国民健康保険 |
| 年金 | 厚生年金 | 国民年金 |
| 雇用保険 | 加入あり | 加入なし |
| 社会保険料の負担 | 会社が半額負担 | 全額自己負担 |
SESでは社会保険料の半額を会社が負担してくれる上、失業時には雇用保険から給付を受けられます。フリーランスは全額自己負担となり、失業しても雇用保険がないため収入が途絶えるリスクがあるでしょう。
案件選択の自由度の違い
SESとフリーランスでは、案件を選ぶ自由度に大きな差があります。フリーランスは自分で案件を選べますが、SESでは会社が決定した案件に参画することが一般的です。
| 項目 | SES | フリーランス |
|---|---|---|
| 案件の決定権 | 会社が決定 | 自分で選択 |
| 希望の反映 | 希望を伝えることは可能だが、最終決定は会社 | 条件に合わない案件は断れる |
| 技術分野の選択 | 会社の営業範囲に依存 | 自分の得意分野や興味で選べる |
| 案件変更 | 会社都合で別案件に移動する場合がある | 契約期間中は原則として継続 |
SESでは営業担当者が獲得した案件に参画するため、自分の希望と異なる技術分野や勤務地になることもあります。一方、フリーランスは興味のある技術分野や働き方に合った案件を自分で選べるため、キャリア形成の自由度が高いでしょう。
SESのメリット
SESには、会社員として働くことによる安定性や充実したサポート体制があります。フリーランスと比較すると収入面では劣りますが、リスクを抑えながらエンジニアとして働ける環境が整っている点が大きな特徴です。ここでは、SESの4つのメリットを紹介します。
- 安定した収入が得られる
- 福利厚生が充実している
- 営業活動が不要
- トラブル時のサポートがある
これらのメリットは、特に安定を重視するエンジニアや、営業や事務作業を避けたいエンジニアにとって魅力的です。自分のキャリアや生活スタイルに合わせて、SESの利点を活かすことが重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
安定した収入が得られる
SESの最大のメリットは、毎月安定した給与が保証されることです。案件の有無に関わらず固定給が支給されるため、生活設計が立てやすく、精神的な負担も軽減されます。
安定した収入のメリットは、以下の通りです。
- 案件がない待機期間でも給与が支給される
- 毎月決まった日に給与が振り込まれる
- 支払いトラブルのリスクがない
- 住宅ローンやクレジットカードの審査に通りやすい
フリーランスの場合、案件が途切れれば収入がゼロになりますが、SESでは会社が給与を保証してくれます。特に、家族を養っている方や住宅ローンを抱えている方にとって、この安定性は非常に重要な要素となるでしょう。
福利厚生が充実している
SES企業の社員として働くことで、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保障に加え、企業独自の福利厚生を利用できます。これらの福利厚生は、フリーランスでは得られない大きなメリットです。
主な福利厚生の内容は、以下の通りです。
- 社会保険料の半額を会社が負担
- 有給休暇や育児休暇、介護休暇が取得できる
- 健康診断や人間ドックを会社が負担
- 住宅手当や交通費の支給
- 研修制度や資格取得支援
特に、社会保険料の半額負担は大きな経済的メリットです。フリーランスでは全額自己負担となるため、年間で数十万円の差が生まれることもあります。
営業活動が不要
SESでは、営業担当者が案件を獲得してくれるため、エンジニアは技術業務に集中できます。案件探しや契約交渉に時間を取られることがなく、開発スキルの向上に専念できる環境です。
営業不要のメリットは、以下の通りです。
- 案件探しの時間を開発や学習に充てられる
- 営業スキルがなくてもエンジニアとして働ける
- 単価交渉を営業担当者に任せられる
- 新規案件への参画がスムーズ
営業活動が苦手なエンジニアにとって、この点は非常に大きなメリットです。フリーランスでは自分で案件を探し、クライアントと交渉する必要があるため、営業が苦手だと案件獲得に苦労する可能性があるでしょう。
トラブル時のサポートがある
SESでは、クライアント企業とのトラブルや契約上の問題が発生した場合、会社が間に入ってサポートしてくれます。個人で対応する必要がなく、精神的な負担が軽減される点も大きなメリットです。
サポート体制の内容は、以下の通りです。
- 契約内容の確認や交渉を会社が代行
- ハラスメントや不当な扱いに対して会社が対応
- 支払いトラブルが発生しても給与は保証される
- 案件終了後の次の案件を会社が手配
フリーランスの場合、全てのトラブルを自分で対処しなければならず、法的知識や交渉力が求められます。SESであれば、会社のサポートを受けながら安心して業務に取り組めるでしょう。
フリーランスのメリット
フリーランスには、SESでは得られない自由度の高さと収入アップの可能性があります。特に、年収を大幅に上げたい方や、自分で働き方をコントロールしたい方にとって、フリーランスは魅力的な選択肢です。ここでは、フリーランスの4つのメリットを紹介します。
- 年収を大幅に上げられる
- 案件を自由に選べる
- 働き方を自分で決められる
- 人間関係のストレスが少ない
これらのメリットを最大限に活かすには、スキルと自己管理能力が必要ですが、それに見合うだけの報酬と自由が手に入ります。自分のキャリア目標や価値観に合わせて、フリーランスの利点を活用することが重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
年収を大幅に上げられる
フリーランスの最大のメリットは、スキル次第で年収を大幅にアップできる点です。マージン率が低く、単価交渉も自分で行えるため、SESと比べて300万円以上高い年収を実現することも可能です。
年収アップの具体例は、以下の通りです。
- 月単価80万円の案件なら年収960万円(エージェントマージン10%の場合、手取り年収864万円)
- スキルアップによって月単価100万円以上も狙える
- 複数の案件を掛け持ちすることで収入を増やせる
- 単価交渉によって継続的に報酬を上げられる
SESでは会社の給与体系に縛られるため、どれだけスキルを磨いても急激な年収アップは難しいです。しかし、フリーランスであれば自分の市場価値を直接報酬に反映できるため、高いモチベーションを維持しながら働けるでしょう。
案件を自由に選べる
フリーランスは、自分の興味やキャリア目標に合った案件を自由に選択できます。興味のない技術分野や望まない勤務地の案件を断れるため、理想の働き方を実現しやすい環境です。
案件選択の自由度は、以下のように活かせます。
- 得意な技術分野の案件に集中できる
- 最新技術を学べる案件を選んでスキルアップできる
- リモートワーク可能な案件を選べる
- 短期案件と長期案件を自分のペースで選択できる
SESでは会社の営業範囲内でしか案件を選べませんが、フリーランスなら自分のキャリア戦略に沿った案件選択が可能です。特定の技術分野でスペシャリストを目指す場合、この自由度は非常に重要な要素となるでしょう。
働き方を自分で決められる
フリーランスは、案件を選ぶことで働く時間や場所をある程度コントロールできます。客先常駐案件でも、リモートワーク可能な案件やフレックスタイム制の案件を選べば、柔軟な働き方を実現できる可能性があります。
働き方の自由度は、以下のように活かせます。
- リモートワーク案件を選んで通勤時間をゼロにできる
- 週3日稼働の案件を選んで副業や学習時間を確保できる
- 繁忙期と閑散期を自分で調整できる
- 長期休暇を取りやすい
SESでは会社の就業規則に従う必要がありますが、フリーランスなら自分のライフスタイルに合わせた働き方が選択できます。ワークライフバランスを重視する方にとって、この柔軟性は大きなメリットとなるでしょう。
人間関係のストレスが少ない
フリーランスは、会社の人間関係や社内政治から解放されます。プロジェクト単位で働くため、苦手な上司や同僚と長期間関わる必要がなく、精神的な負担が軽減される点もメリットです。
人間関係のストレス軽減効果は、以下の通りです。
- 会社の飲み会や社内イベントへの参加が不要
- 上司の顔色を伺う必要がない
- 合わないプロジェクトは契約終了後に別の案件に移れる
- 成果で評価されるため、社内政治に巻き込まれない
SESでは所属企業内の人間関係も維持する必要がありますが、フリーランスなら技術的な成果に集中できる環境を作りやすいです。人間関係のストレスがエンジニアのパフォーマンスを下げることは多いため、この点は見逃せないメリットでしょう。
SESのデメリット
SESには安定性や福利厚生などのメリットがある一方で、収入面や自由度において制約があります。フリーランスと比較して劣る点を理解しておくことで、将来のキャリア選択に役立てられるでしょう。ここでは、SESの3つのデメリットを紹介します。
- マージンが高く年収が上がりにくい
- 案件を選べない場合がある
- 会社都合で案件が終了することがある
これらのデメリットは、特に年収アップを目指す方や、キャリアの主導権を自分で握りたい方にとって大きな制約となります。SESで働く場合は、これらの点を理解した上で、自分に合った企業を選ぶことが重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
マージンが高く年収が上がりにくい
SESでは、クライアントが支払う報酬の30%から50%を会社がマージンとして受け取るため、エンジニアの手取り額が少なくなります。同じスキルでもフリーランスと比べて年収が300万円以上低いケースも珍しくありません。
マージンによる年収への影響は、以下の通りです。
- 月単価100万円の案件でも、手取りは50万円から70万円程度
- 昇給は会社の評価制度に依存し、急激な年収アップは難しい
- スキルアップしても、それが直接給与に反映されにくい
- 複数案件の掛け持ちはできない
特に、高いスキルを持つエンジニアほど、この差を大きく感じるでしょう。自分の市場価値が上がっても、会社の給与体系がそれに追いつかないため、モチベーションの低下につながる可能性があります。
案件を選べない場合がある
SESでは、営業担当者が獲得した案件に参画することが基本となるため、自分の希望と異なる技術分野や勤務地になることがあります。特に、営業力の弱い企業では、案件の選択肢が限られる場合もあるでしょう。
案件選択の制約は、以下のような影響をもたらします。
- 興味のない技術分野の案件に参画せざるを得ない
- 通勤時間の長い案件を断りづらい
- スキルアップにつながらない案件が続くことがある
- キャリア戦略を自分で描きにくい
会社によっては希望を考慮してくれる場合もありますが、最終的な決定権は会社にあります。キャリア形成の主導権を持てないことは、長期的に見て大きなデメリットとなる可能性があるでしょう。
会社都合で案件が終了することがある
SESでは、クライアント企業とSES企業の契約が終了すれば、自分の意思に関係なく案件から外されることがあります。自分の仕事ぶりに問題がなくても、会社の営業判断や契約条件の変更によって、突然案件が終了するケースも存在します。
会社都合での案件終了には、以下のリスクがあります。
- プロジェクトの途中で別の案件に移動させられる
- 次の案件が決まるまで待機期間が発生する
- キャリアの連続性が途切れる
- 自分の意思でプロジェクトを継続できない
フリーランスであれば、クライアント企業と直接契約しているため、契約期間中は継続して働けます。しかし、SESでは会社とクライアントの関係性によって、エンジニアの働き方が左右される点に注意が必要です。
フリーランスのデメリット
フリーランスには高収入や自由度というメリットがある一方で、安定性の欠如や自己管理の負担など、無視できないデメリットも存在します。これらのリスクを理解せずに転向すると、後悔する可能性があるでしょう。ここでは、フリーランスの4つのデメリットを紹介します。
- 収入が不安定になる
- 社会的信用度が低い
- 確定申告など事務作業が増える
- 福利厚生がない
これらのデメリットは、特に安定を重視する方や、事務作業が苦手な方にとって大きな負担となります。フリーランスへの転向を検討する際は、これらのリスクを十分に理解し、対策を考えることが重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
収入が不安定になる
フリーランスの最大のデメリットは、案件がなければ収入がゼロになる点です。SESのように待機期間中の給与保証がないため、常に次の案件を確保しておく必要があります。
収入の不安定さによるリスクは、以下の通りです。
- 案件が途切れれば即座に収入がなくなる
- 体調不良で働けない期間は収入ゼロ
- 景気悪化時に案件数が減少する
- 年齢が上がると案件獲得が難しくなる可能性
特に、家族を養っている方や住宅ローンを抱えている方にとって、この不安定さは精神的な負担となります。常に次の案件を探し続ける必要があり、安心して働ける環境ではないと感じる方も多いでしょう。
社会的信用度が低い
フリーランスは個人事業主という扱いになるため、会社員と比べて社会的信用度が低くなります。住宅ローンやクレジットカードの審査で不利になることが多く、生活面でのデメリットが発生する可能性があります。
社会的信用度の低さによる影響は、以下の通りです。
- 住宅ローンの審査が通りにくい
- クレジットカードの限度額が低くなる
- 賃貸物件の審査で不利になる
- 自動車ローンなどの各種ローンが組みにくい
特に、フリーランスになってから住宅を購入したい方は注意が必要です。数年分の確定申告書を求められ、収入が安定していることを証明しなければならないため、SESの時よりも審査のハードルが高くなるでしょう。
確定申告など事務作業が増える
フリーランスは、確定申告や経費管理、請求書発行など、全ての事務作業を自分で行う必要があります。これらの作業に慣れていない方にとっては、大きな負担となるでしょう。
事務作業の内容は、以下の通りです。
- 毎月の経費を記録し、領収書を保管
- 請求書を作成してクライアントに送付
- 入金確認と催促
- 年に1回の確定申告
- 国民健康保険や国民年金の手続き
SESであれば会社が給与計算や税金の処理を行ってくれますが、フリーランスは全て自己責任です。税理士に依頼することもできますが、その分コストがかかるため、手取り額がさらに減少する可能性もあります。
福利厚生がない
フリーランスには、会社員が受けられる福利厚生が一切ありません。社会保険料の会社負担もなく、有給休暇や退職金制度もないため、経済的な負担が増加します。
福利厚生がないことによる影響は、以下の通りです。
- 社会保険料を全額自己負担しなければならない
- 有給休暇がなく、休めば収入が減る
- 退職金制度がないため、老後資金を自分で準備
- 研修制度がなく、スキルアップは自己投資
特に、社会保険料の全額負担は大きな出費です。年間で数十万円の差が生まれるため、手取り額が多くても実質的な可処分所得はSESとあまり変わらないケースもあります。
SESに向いている人の特徴
SESとフリーランスのどちらが向いているかは、個人の価値観やキャリア目標によって異なります。収入や自由度よりも安定性を重視する方には、SESの方が適している場合が多いでしょう。ここでは、SESに向いている人の4つの特徴を紹介します。
- 安定した収入を重視する人
- 営業が苦手な人
- 事務作業を避けたい人
- チームで働きたい人
これらの特徴に当てはまる方は、フリーランスよりもSESの方が自分の強みを活かせる可能性が高いです。自分の性格や働き方の好みを客観的に分析することが、適切なキャリア選択につながります。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
安定した収入を重視する人
毎月決まった額の給与が保証されることを重視する方は、SESの方が適しています。家族を養っている方や住宅ローンを抱えている方にとって、収入の安定性は何よりも重要な要素です。
安定を重視すべき状況は、以下の通りです。
- 配偶者や子供を養っている
- 住宅ローンや車のローンなど固定費が多い
- 貯金が少なく、収入がなくなると生活できない
- 精神的な安心感を最優先したい
フリーランスの不安定さに耐えられるかどうかは、個人の経済状況や性格によって大きく異なります。リスクを取るよりも確実性を優先したい方には、SESの安定性が大きなメリットとなるでしょう。
営業が苦手な人
自分で案件を探したり、クライアントと単価交渉をしたりすることが苦手な方は、SESの方が向いています。営業担当者が案件獲得や交渉を代行してくれるため、技術業務に集中できる環境です。
営業が苦手な方の特徴は、以下の通りです。
- 初対面の人と話すのが苦手
- 自分の価値を売り込むことに抵抗がある
- 交渉や駆け引きが得意ではない
- 案件探しよりも開発に時間を使いたい
フリーランスでは、エージェントを利用しても最終的な面談や契約内容の確認は自分で行う必要があります。営業スキルがないと案件獲得に苦労する可能性が高いため、営業に自信がない方はSESを選ぶ方が無難でしょう。
事務作業を避けたい人
確定申告や経費管理、請求書発行などの事務作業が苦手な方は、SESの方が適しています。会社が給与計算や税金の処理を行ってくれるため、エンジニアは開発業務だけに集中できます。
事務作業を避けたい方の特徴は、以下の通りです。
- 数字の管理や書類作成が苦手
- 税金や保険の仕組みを理解するのが面倒
- 領収書の管理や経費計算に時間を取られたくない
- 開発以外のことに時間を使いたくない
フリーランスでは、これらの事務作業を全て自分で行うか、税理士に依頼して追加コストを支払う必要があります。事務作業に時間を取られることがストレスになる方は、SESの方が精神的な負担が少ないでしょう。
チームで働きたい人
一人で孤独に働くよりも、同僚と協力しながら仕事を進めることを好む方は、SESの方が向いています。SESであれば、同じ会社の仲間と情報交換したり、相談したりできる環境があります。
チームで働くメリットは、以下の通りです。
- 同僚に技術的な質問ができる
- 困ったときに相談できる相手がいる
- 社内勉強会やイベントで交流できる
- 孤独感を感じにくい
フリーランスは基本的に一人で業務を進めることが多く、孤独感や閉塞感を感じやすいです。人とのつながりや連帯感を重視する方には、SESの方が働きやすい環境と言えるでしょう。
フリーランスに向いている人の特徴
フリーランスは、高い自己管理能力と明確なキャリア目標を持つ方に適した働き方です。安定性よりも自由度や収入を優先できる方であれば、フリーランスの利点を最大限に活かせるでしょう。ここでは、フリーランスに向いている人の4つの特徴を紹介します。
- 年収を上げたい人
- 案件を選びたい人
- 自由な働き方を実現したい人
- 自己管理ができる人
これらの特徴に当てはまる方は、フリーランスとして成功する可能性が高いです。自分の強みや目標を明確にして、フリーランスという働き方を選択することが重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
年収を上げたい人
現在の年収に満足していない方や、スキルに見合った報酬を得たい方は、フリーランスが適しています。同じスキルでもSESより300万円以上高い年収を実現できる可能性があり、経済的なメリットは非常に大きいです。
年収アップを目指せる方の特徴は、以下の通りです。
- 現在のスキルが市場価値より低く評価されていると感じる
- 年収800万円以上を目指したい
- スキルアップに投資する意欲がある
- 収入のために多少のリスクを取れる
特に、実務経験3年以上でスキルに自信がある方は、フリーランスに転向することで大幅な年収アップが期待できます。SESでは会社の給与体系に縛られますが、フリーランスなら自分の市場価値を直接報酬に反映できるでしょう。
案件を選びたい人
自分のキャリア目標に合った案件を選びたい方や、特定の技術分野でスペシャリストを目指したい方は、フリーランスの方が適しています。興味のない案件を断り、やりたい仕事だけに集中できる環境です。
案件選択の自由を活かせる方の特徴は、以下の通りです。
- 特定の技術分野を極めたい
- 最新技術に触れられる案件を選びたい
- 興味のない案件は断りたい
- 自分でキャリア戦略を描ける
SESでは会社が決めた案件に参画するため、キャリア形成の主導権を持てません。しかし、フリーランスなら自分の意思でキャリアパスを選択できるため、長期的なキャリア目標を実現しやすいでしょう。
自由な働き方を実現したい人
リモートワークや週3日稼働など、柔軟な働き方を実現したい方は、フリーランスの方が適しています。案件を選ぶことで、自分のライフスタイルに合った働き方をデザインできます。
自由な働き方を求める方の特徴は、以下の通りです。
- 通勤時間をゼロにしたい
- 副業や個人開発に時間を使いたい
- 家族との時間を優先したい
- 長期休暇を取りやすい環境がほしい
SESでは会社の就業規則に従う必要がありますが、フリーランスなら自分で働き方を決められます。ワークライフバランスを重視する方にとって、この柔軟性は大きなメリットとなるでしょう。
自己管理ができる人
スケジュール管理や健康管理、モチベーション維持などを自分でできる方は、フリーランスとして成功しやすいです。会社のサポートがない環境で、自分を律して働き続けられる能力が求められます。
自己管理ができる方の特徴は、以下の通りです。
- 締め切りを守る習慣がある
- 自分で学習計画を立ててスキルアップできる
- 健康管理を怠らない
- 孤独な環境でもモチベーションを維持できる
フリーランスでは、全てが自己責任です。自己管理能力が低いと、納期遅延や体調不良による収入減少につながる可能性があるため、この能力は非常に重要です。
フリーランスに転向しても変わらないSESエンジニアの特徴
フリーランスに転向しても、期待していたような変化が得られないSESエンジニアも存在します。スキル不足や営業努力の欠如などが原因で、結局SESと同じような働き方や収入になってしまうケースです。ここでは、フリーランスに転向しても変わらない3つの特徴を紹介します。
- ITスキルが低く高単価案件が取れない
- 自分で案件を開拓する努力をしていない
- 人脈がない
これらの特徴に当てはまる場合、フリーランスに転向しても期待する結果を得られない可能性が高いです。転向前に自分のスキルや準備状況を客観的に評価することが、失敗を避けるために重要です。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
ITスキルが低く高単価案件が取れない
フリーランスの報酬は、スキルに応じて決まります。実務経験が浅く、技術力が不足している状態でフリーランスに転向しても、低単価案件しか獲得できず、結局SESと変わらない年収になってしまいます。
スキル不足による影響は、以下の通りです。
- 月単価50万円以下の案件しか取れない
- テスターや運用保守など、スキルアップにつながらない案件が中心
- 単価交渉しても、実績がないため受け入れられない
- 結果的にSESの給与と同程度の収入しか得られない
フリーランスで高収入を得るには、最低でも実務経験3年以上、できれば5年以上の経験と、特定分野での専門性が求められます。スキルが不足している状態での転向は、リスクが大きすぎるでしょう。
自分で案件を開拓する努力をしていない
エージェント任せにして、自分から積極的に案件を探したり、人脈を広げたりする努力をしていない場合、フリーランスの利点を活かせません。結局、エージェントが紹介する案件に依存する形になり、SESと変わらない状況に陥ります。
営業努力不足による影響は、以下の通りです。
- エージェントが紹介する案件しか選択肢がない
- 直接契約の案件を獲得できず、マージンを払い続ける
- 案件が途切れたときに次の案件が見つからない
- 単価交渉の材料となる複数のオファーを得られない
フリーランスで成功するには、自分から積極的に案件を探し、クライアントと直接つながりを作る努力が必要です。受け身の姿勢では、SESとほとんど変わらない働き方になってしまうでしょう。
人脈がない
業界内に人脈がない状態でフリーランスに転向すると、案件獲得に苦労します。エージェント経由の案件しか選択肢がなく、高単価案件や好条件の案件を紹介してもらえる可能性も低くなります。
人脈不足による影響は、以下の通りです。
- 直接契約の案件を獲得するルートがない
- 案件が途切れたときに頼れる相手がいない
- 技術的な相談ができる仲間がいない
- 新しい技術情報や案件情報が入ってこない
人脈は一朝一夕には作れません。SESで働いている間に、勉強会やコミュニティに参加して人脈を広げておくことが、フリーランス転向後の成功につながります。人脈がない状態での転向は、孤立とリスクを招くでしょう。