準委任契約のSES契約で印紙が必要なケースを解説

準委任契約のSES契約で印紙が必要なケースを解説

準委任契約のSES契約で印紙が必要なケース

準委任契約のSES契約で印紙が必要なケース

SES契約を準委任契約で締結する場合、契約書が印紙税法で定める課税文書に該当するときは、収入印紙を貼る必要があります。課税文書に該当するかどうかは契約書のタイトルではなく、契約の内容によって判断されます。

準委任契約のSES契約で印紙が必要になるのは、以下の2つのケースです。それぞれの該当条件と印紙税額について、詳しく解説していきます。

  • 第1号文書に該当する場合
  • 第7号文書に該当する場合

各ケースについて、詳しく解説していきます。

第1号文書に該当する場合

第1号文書とは、印紙税法別表第一の課税物件表で定められている「無体財産権の譲渡に関する契約書」を指します。無体財産権には、特許権、商標権、意匠権、実用新案権、著作権などが含まれます。

SES契約で第1号文書に該当する具体的な契約書としては、以下のようなものが挙げられます。これらの契約書では、著作権などの無体財産権の取り扱いが明記されているため、印紙税の課税対象となります。

  • システム開発業務委託契約書
  • プログラム業務委託契約書
  • ソフトウェア業務委託契約書
  • アプリ業務委託契約書

第1号文書に該当する場合、契約書に記載された契約金額に応じて印紙税額が決定されます。契約金額が1万円未満の場合は非課税となり、1万円以上の場合は以下の表に示す金額の収入印紙を貼る必要があります。

契約金額 印紙税額
1万円以下 非課税
1万円を超え10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1,000円
100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超える場合 60万円
契約金額の記載がない場合 200円

第7号文書に該当する場合

第7号文書とは、印紙税法施行令第26条で定められている「売買の委託に関する契約書」または「売買に関する業務の継続委託に関する契約書」を指します。契約期間が3か月を超える継続的な取引に関する契約書が該当します。

SES契約で第7号文書に該当する具体的な契約書としては、以下のようなものが挙げられます。これらの契約書では、継続的な業務委託の内容が明記されているため、印紙税の課税対象となります。

  • 販売店契約書
  • 代理店契約書
  • 特約店契約書
  • アフィリエイト契約書

第7号文書に該当する場合、契約金額にかかわらず一律4,000円の収入印紙を貼る必要があります。なお、契約期間が3か月以内で契約の更新について規定がない場合は、第7号文書に該当せず印紙税の課税対象外となります。

準委任契約のSES契約で印紙が不要なケース

準委任契約のSES契約で印紙が不要なケース

準委任契約のSES契約では、契約書が課税文書に該当しない場合、収入印紙を貼る必要はありません。多くのSES契約では、準委任契約の性質上、印紙が不要となることが一般的です。

準委任契約のSES契約で印紙が不要になるのは、以下の2つのケースです。それぞれについて、詳しく解説していきます。

  • 原則として印紙は不要
  • 電子契約の場合は印紙不要

各ケースについて、詳しく解説していきます。

原則として印紙は不要

準委任契約のSES契約書は、原則として不課税文書に該当するため、収入印紙は不要です。不課税文書とは、印紙税法で定める課税文書に該当しない書類のことを指します。

準委任契約では、成果物の完成を保証するのではなく、業務の遂行そのものに対して報酬が支払われる契約形態です。このため、請負契約のように仕事の完成責任を負う契約とは性質が異なり、課税文書には該当しません。

ただし、契約書の内容に以下のような条項が含まれる場合、請負契約とみなされて課税文書に該当する可能性があります。準委任契約として印紙を不要にするためには、これらの条項を含めないよう注意する必要があります。

  • 仕事の完成をチェックする受入検査の実施
  • 契約不適合責任の規定
  • 仕事の完成に対する報酬の支払い条件

電子契約の場合は印紙不要

電子契約で準委任契約のSES契約を締結する場合、収入印紙は一切不要です。印紙税法では、契約書が書面であることが課税要件となっており、電子データで作成された契約書は書面に該当しないため、印紙税の課税対象外となります。

電子契約を利用することによって、印紙税のコスト削減だけではなく、以下のようなメリットも得られます。契約書の作成や管理の効率化、郵送コストの削減、事務作業に関連した人件費の削減などが期待できます。

  • 契約書の作成や管理が効率化される
  • 郵送コストが削減できる
  • 事務作業に関連した人件費が削減できる
  • 契約書の保管スペースが不要になる

電子契約を導入する際には、クラウド型の電子契約サービスを利用することで、取引先との契約締結もスムーズに進められます。紙の契約書で進めている企業は、電子契約の利用を検討してもよいでしょう。

準委任契約のSES契約で印紙を貼り忘れた場合のペナルティ

準委任契約のSES契約で印紙を貼り忘れた場合のペナルティ

準委任契約のSES契約で収入印紙が必要であるにもかかわらず貼り忘れた場合、印紙税法で定められたペナルティが発生します。税務調査により貼り忘れが発覚すると、過怠税が課せられることになります。

印紙を貼り忘れた場合に発生する主なペナルティは、以下の2つです。それぞれについて、詳しく解説していきます。

  • 過怠税が発生する
  • 契約書自体の効力は有効

各ペナルティについて、詳しく解説していきます。

過怠税が発生する

収入印紙を貼り忘れた場合、過怠税が発生します。過怠税とは、印紙税の納付義務を果たさなかった場合に課せられる罰金のことで、税務調査で貼り忘れが発覚したタイミングによって金額が異なります。

税務調査により貼り忘れが発覚した場合、本来納付すべきだった印紙税額に加えて、その印紙税額の2倍に相当する過怠税が課せられます。つまり、本来の印紙税額の3倍に相当する金額を支払う必要があります。

一方、税務調査が実施される前に自主的に貼り忘れを申告した場合、過怠税は本来の印紙税額の1.1倍に相当する金額に軽減されます。貼り忘れに気づいた場合は、速やかに申告することによって、過怠税の負担を軽減できます。

発覚のタイミング 過怠税の金額
税務調査により発覚 本来の印紙税額の3倍
(印紙税額+過怠税2倍分)
自主的に申告 本来の印紙税額の1.1倍
(印紙税額+過怠税0.1倍分)

また、収入印紙を貼りつけたとしても、消印が押されていない場合も過怠税の対象となります。この場合、本来の印紙税額と同額の過怠税が課せられるため、収入印紙を貼る際は必ず消印を押す必要があります。

契約書自体の効力は有効

収入印紙を貼り忘れたとしても、準委任契約のSES契約書自体の法的効力には影響を与えません。印紙税はあくまで税金の支払いに関する義務であり、契約書に印紙を貼ること自体が契約の成立や効力の要件ではないからです。

契約書は双方が署名または記名押印した段階で成立しており、印紙の有無にかかわらず、契約に基づく権利や義務は履行される必要があります。ただし、過怠税のペナルティは発生するため、印紙が必要な契約書には必ず収入印紙を貼ることが重要です。

契約書の控えやコピーについては、印紙税法上の課税対象とはならないため、印紙を貼る必要はありません。原本のみに収入印紙を貼りつけることで、印紙税の納付義務を果たすことができます。

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