SESで働くエンジニアにとって、長期案件の期間がどれくらいなのかは重要です。案件の長さによって、収入の安定性やスキルアップの方向性が大きく変わるため、事前に期間の目安を把握しておくことで、キャリアプランを立てやすくなります。
しかし、SESの長期案件と一口に言っても、具体的に何年続くのか、また1回の契約はどれくらいの期間なのかについて明確に理解している方は少ないのが現状です。同じ現場で何年働けるのか、短期案件と長期案件の違いは何かといった疑問を抱えている方も多いでしょう。
この記事では、SESの長期案件がどれくらいの期間なのかを具体的に解説し、1回の契約期間や同じ現場で働ける上限期間、長期案件の特徴について詳しく説明します。
SESの長期案件はどれくらいの期間か
SESにおける長期案件とは、最低でも1年以上続くプロジェクトのことを指します。長期案件では、同じ現場で安定して働くことができるため、収入面でも精神面でも余裕を持ちやすいという特徴があります。
長期案件の期間には幅があり、短いものでも1年程度、長いものでは10年以上継続するプロジェクトも存在します。SESの長期案件には、以下3つの期間パターンがあります。
- 長期案件は最低1年以上のプロジェクト
- 超長期案件は10年以上続くこともある
- 1回の契約期間は1〜3ヶ月が平均
それぞれの期間について、以下で詳しく見ていきましょう。
長期案件は最低1年以上のプロジェクト
SES業界において、長期案件と呼ばれるプロジェクトは最低でも1年以上継続することが一般的です。1年以上同じ現場で働くことによって、プロジェクトの全体像を把握しやすくなり、担当業務への理解も深まります。
長期案件の特徴として、以下のようなポイントがあります。
- 同じチームメンバーと長期間協力して働ける
- プロジェクトの要件定義から運用保守まで一貫して携われる
- 案件変更による環境変化のストレスが少ない
- 収入が安定しやすい
1年以上という期間があることで、技術的なスキルだけでなく、現場でのコミュニケーション能力やプロジェクト管理能力も向上しやすくなります。特に金融系や公共系のプロジェクトでは、システムの規模が大きいため、1年以上の長期案件になることが多い傾向にあります。
超長期案件は10年以上続くこともある
SESの長期案件の中でも、特に大規模なプロジェクトや運用保守案件では、10年以上継続する超長期案件も珍しくありません。金融機関の基幹システムや官公庁のシステム運用など、安定性と継続性が求められる分野でこうした超長期案件が発生します。
超長期案件の主な特徴は以下のとおりです。
- 新卒で入社してから退職まで同じ現場というケースもある
- システムの運用保守がメイン業務になることが多い
- 現場のキーパーソンとして長期間必要とされる
- 収入は安定するが技術の幅が広がりにくい
10年以上同じ現場で働くことには、安定性というメリットがある一方で、扱う技術が限定されるため、市場価値が上がりにくいというデメリットもあります。自分のキャリアプランと照らし合わせて、超長期案件に参画するかどうかを判断することが重要です。
1回の契約期間は1〜3ヶ月が平均
SESの長期案件であっても、1回あたりの契約期間は1〜3ヶ月が平均です。長期案件だからといって、最初から1年や2年の契約を結ぶわけではなく、短期間の契約を更新し続ける形でプロジェクトに参画します。
契約更新のタイミングは、通常、契約終了の1ヶ月前に決定されます。この仕組みにより、以下のようなメリットとデメリットがあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| エンジニア側も会社側も柔軟に契約を見直せる | 契約が更新されない可能性がある |
| 現場に合わないと感じたら退場しやすい | 毎回更新の不安がつきまとう |
| クライアント側も人員調整がしやすい | 長期的なキャリアが不透明になりがち |
1回の契約期間が短いため、現場を変えたい場合は契約更新のタイミングで会社に相談することで、比較的スムーズに案件を変更できます。逆に、長期的に働きたい場合は、契約更新を続けてもらえるよう、現場での評価を高めることが大切です。
SESで同じ現場に働ける期間はどれくらいか
SESで同じ現場に働ける期間には、契約形態によって大きな違いがあります。SES契約の場合と派遣契約の場合では、法律上の扱いが異なるため、同じ現場で働ける期間の上限も変わってきます。
同じ現場で働ける期間について、以下の2つのパターンがあります。
- SES契約は期間制限なし
- 派遣契約は3年まで
それぞれの契約形態における期間制限について、以下で詳しく解説します。
SES契約は期間制限なし
SES契約で常駐している場合、同じ現場で働ける期間に法律上の制限はありません。SES契約は準委任契約であり、労働者派遣法の適用を受けないため、エンジニアの技術力を提供することが目的とされています。
SES契約で期間制限がない理由は以下のとおりです。
- 労働力ではなく技術力の提供が契約の主旨
- 指揮命令権がSES企業側にある
- 労働者派遣法の3年ルールが適用されない
- クライアントとエンジニアの直接的な雇用関係がない
実際に、SES契約で8年以上同じ現場で働いているエンジニアも存在します。金融系や公共系のプロジェクトでは、システムの運用保守を長期間担当することがあり、エンジニアの能力が高く、プロジェクトに貢献し続けている場合は、10年以上同じ現場で働くケースもあります。ただし、同じ現場に長くいることで技術の幅が狭くなるリスクもあるため、自分のキャリアプランを考慮することが重要です。
派遣契約は3年まで
派遣契約で常駐している場合、同じ現場で働ける期間は最長3年までと法律で定められています。これは労働者派遣法による「3年ルール」と呼ばれる制限で、同じ事業所の同じ組織単位で3年を超えて働くことはできません。
派遣契約で3年の期間制限がある理由は以下のとおりです。
- 労働者派遣法で明確に規定されている
- 派遣労働者の雇用の安定を図るため
- 派遣先企業による直接雇用を促進するため
- 派遣労働者の正社員化を促す目的
3年を超えて同じ現場で働きたい場合は、部署異動や一定期間の待機期間を設けるなどの対応が必要になります。また、派遣先企業が直接雇用に切り替えることで、3年を超えて働き続けることも可能です。SES契約と派遣契約の違いを理解し、自分がどちらの契約形態で働いているのかを確認しておくことが大切です。
SESの長期案件になりやすい業界や特徴
SESの長期案件は、すべてのプロジェクトで発生するわけではなく、金融系や公共系などで長期化しやすい傾向があります。長期案件に入りたいエンジニアは、どのような業界や案件が長期化しやすいのかを理解しておくことで、希望に合った案件を選びやすくなります。
また、長期契約になりやすいエンジニアの特徴もあるので、以下で詳しく解説していきます。
金融系や公共系は長期になりやすい
SESの長期案件は、業界によって発生頻度が大きく異なります。特に金融系や公共系のプロジェクトは、システムの規模が大きく、安全性や安定性が重視されるため、長期案件になりやすい傾向があります。
長期案件になりやすい業界は、以下のとおりです。
| 業界 | 理由 |
|---|---|
| 金融系 | システムの規模が大きく安全性が最優先 運用保守が長期間必要 |
| 保険系 | 顧客データの管理が長期にわたる 法改正対応で継続的な開発が発生 |
| 生活インフラ系 | 社会インフラのため停止できない 24時間365日の運用保守が必要 |
| 官公庁・自治体 | 公共サービスのシステムで長期運用 セキュリティ要件が厳しく人員固定化 |
これらの業界では、システムの安全性と安定性が最優先されるため、長期的なスケジュールで余裕を持ったプロジェクト運営が行われることが多いです。長期案件に参画したいエンジニアは、どの業界のプロジェクトに参加するかを事前に確認することで、希望に合った働き方を実現しやすくなります。
長期契約になりやすいエンジニアの特徴
SESで長期契約を獲得できるかどうかは、エンジニア自身のスキルや働き方にも大きく左右されます。クライアント企業から高く評価されるエンジニアは、契約が継続しやすく、長期的に同じ現場で働くことができます。
長期契約になりやすいエンジニアの特徴は以下のとおりです。
- 高いスキルを持ち上流工程を担当できる
- リーダーやマネジメント経験がある
- 指示された業務を確実にこなせる
- コミュニケーション能力が高く周囲から好かれる
- 元請けのプロジェクトに参画している
現場で即戦力として活躍できるエンジニアや、プロジェクトメンバーと良好な関係を築けるエンジニアは、クライアントから継続して必要とされます。仮に案件が終了しても、同じ現場の人から次のプロジェクトを紹介してもらえる可能性もあります。長期契約を取るためには、技術力だけでなく、協調性やコミュニケーション力も重要であることを理解しておくことが大切です。