SES企業に入社したエンジニアの中には、エンジニア業務ではなく家電量販店や携帯ショップに派遣されてしまう方がいます。未経験からエンジニアを目指して入社したのに、IT業務とは無関係な現場で働かされ、スキルが身につかず不安を感じている方も多いでしょう。
家電量販店に派遣するSES企業は、研修や育成を名目にエンジニアを非IT業務に配置し、長期間エンジニア業務に就かせない悪質なケースが存在します。このような環境では、エンジニアとしてのキャリアを積むことができず、貴重な時間を無駄にしてしまうリスクがあります。
この記事では、SESから家電量販店に派遣される実態と理由、家電量販店派遣を避けるための企業選びのポイント、そしてすでに派遣されてしまった場合の転職方法について詳しく解説します。
SESから家電量販店に派遣される実態
SES企業の中には、エンジニアとして採用した人材を家電量販店や携帯ショップといったIT業務とは無関係な現場に派遣する企業が存在します。未経験からエンジニアを目指して入社した方にとって、このような配属は大きな問題です。
家電量販店に派遣する手口は企業によって異なりますが、共通しているのはエンジニアとしてのスキルを身につける機会が極めて少ないことです。派遣される理由として、以下3つのパターンがあります。
- 研修として派遣される
- スキル習得まで派遣される
- そもそも育てる気がない
これらの手口を理解することで、悪質なSES企業を見極める判断材料になります。それぞれの実態について詳しく見ていきましょう。
研修として派遣される
一部のSES企業は、入社後の研修期間中に家電量販店や携帯ショップへの派遣を義務付けます。企業側は研修として派遣する理由を以下のように説明します。
- 現場に慣れるため
- コミュニケーション力をつけるため
- 社会人経験を積むため
- ビジネスマナーを学ぶため
これらの理由はもっともらしく聞こえますが、実際にはIT技術の研修はほとんど行われません。家電量販店での接客業務や携帯ショップでの販売業務に時間を費やすだけで、エンジニアに必要なプログラミングやシステム開発のスキルは一切身につきません。
さらに問題なのは、研修期間が終わっても現場を変えてくれないケースが多いことです。企業は研修終了後もエンジニア案件がないと主張し、引き続き家電量販店での勤務を継続させます。
スキル習得まで派遣される
別のパターンとして、ITスキルが身につくまでという名目で家電量販店に派遣するSES企業もあります。このパターンでは、企業側は以下のような説明をします。
- IT資格が取れるまで家電量販店で勤務
- 家電量販店で働きながら週末や業務後にIT研修を受講
- 指定の課題が終わるまでは家電量販店での勤務
- 自社カリキュラムを修了するまで非IT業務
このパターンの問題点は、家電量販店での勤務が長時間労働になることが多く、IT研修に充てる時間と体力がほとんど残らないことです。朝から晩までシフト制で働き、製品知識の習得や接客対応に追われる日々の中で、仕事終わりや休日に勉強するのは現実的ではありません。
さらに、仮に研修カリキュラムを修了したとしても、未経験であることには変わらないため、エンジニア案件にアサインされる保証はありません。結果として、何ヶ月も家電量販店での勤務が続き、エンジニアとしてのキャリアをスタートできない状況に陥ります。
そもそも育てる気がない
最も悪質なパターンは、そもそもエンジニアとして育てる気がないSES企業です。このような企業は、求人では未経験からエンジニアになれると謳いながら、実態はただの派遣会社として運営しています。
- エンジニア業務の案件を持っていない
- IT研修のカリキュラムが実質的に機能していない
- 家電量販店などの非IT案件で利益を得るビジネスモデル
- エンジニアのキャリア形成を考えていない
このような企業は、派遣先から報酬を得られれば良いという考え方で運営されているため、エンジニアとしての経験が積めなくても問題にしません。SES企業にとっては、家電量販店に派遣していても契約が成立している限り利益が発生します。
エンジニアを目指して入社した人材が、家電量販店での勤務を続けても市場価値を高めることはできず、貴重な時間を無駄にするだけです。このような企業に入社してしまうと、エンジニアとしてのキャリアを始めることができません。
SESで家電量販店への派遣を避ける方法
家電量販店や携帯ショップに派遣するSES企業を避けるためには、入社前の企業選びが非常に重要です。未経験からエンジニアを目指す方にとって、最初の会社選びはその後のキャリアを大きく左右します。
悪質なSES企業を見極めるためには、企業の研修制度や配属先の業務内容を詳しく確認する必要があります。以下3つの方法を実践することで、家電量販店派遣を避けることが可能です。
- IT転職エージェントを活用する
- 研修制度の内容を確認する
- 配属先の業務を確認する
これらの方法を組み合わせることで、エンジニアとしてスキルを身につけられる優良企業を見つけることができます。それぞれの方法について具体的に解説します。
IT転職エージェントを活用する
家電量販店派遣を避けるための最も確実な方法は、IT業界に特化した転職エージェントを活用することです。IT転職エージェントは、業界の実態を把握しているため、悪質なSES企業を紹介することはありません。
- 完全無料でIT転職を支援してくれる
- IT業界に精通したアドバイザーが相談に乗ってくれる
- あなたの経験や希望に合った優良企業を紹介してくれる
- 転職サイトにない非公開求人にアクセスできる
- 応募書類の添削や面接対策を実施してくれる
- 入社時期や条件の交渉を代行してくれる
IT専門のアドバイザーが企業を厳選して紹介してくれるため、家電量販店で働かせるようなブラック企業に当たる心配がありません。スキルが身につく会社、IT研修がしっかりしている会社、年収アップできる会社など、あなたの希望に沿った企業を紹介してもらえます。
また、はじめての転職では応募書類の書き方や面接での回答方法など、わからないことが多く不安になります。IT転職エージェントであれば、これらのサポートを完全無料で受けられるため、一人での転職活動が不安な方にも適しています。
研修制度の内容を確認する
企業選びの際には、IT研修の内容と期間を詳しく確認することが重要です。優良なSES企業は、未経験者がエンジニアとして成長できるよう、しっかりとした研修制度を整えています。
- 研修期間は最低でも2ヶ月以上あるか
- 専任の講師が在籍しているか
- プログラミングを実際に学べるカリキュラムがあるか
- システム開発の実習ができる環境があるか
- 研修後の配属先がエンジニア業務であることが明記されているか
企業のホームページや求人情報を確認して、これらの項目を満たしているかをチェックしましょう。研修期間が1ヶ月未満だったり、カリキュラムの詳細が不明瞭な場合は、注意が必要です。
ただし、SES企業の中には研修が充実していると謳いながら、実際には家電量販店での勤務を前提としている企業もあります。求人情報だけでは判断が難しい場合は、IT転職エージェントに相談して、実態を確認してもらうことをおすすめします。
配属先の業務を確認する
入社前に配属先でどのような業務を行うのかを明確に確認することも、家電量販店派遣を避けるための重要なポイントです。優良企業であれば、配属先の業務内容が求人情報に具体的に記載されています。
- 配属後はシステム開発業務に携わる
- まずはプログラミングを経験してもらう
- テスト、開発、設計とスキルアップできる環境
- インフラ構築やネットワーク業務に従事
このように、エンジニアとしての実務に関わる業務内容が明記されている企業を選びましょう。一方で、配属先の業務として以下の内容が記載されている場合は、IT業務以外の仕事をさせられる可能性が高いため注意が必要です。
| 業務内容 | リスク |
|---|---|
| IT事務 | 事務作業がメインでエンジニア業務ではない |
| キッティング | PC設定作業のみでスキルが身につかない |
| コールセンター | 電話対応業務でIT技術を学べない |
| ヘルプデスク | 問い合わせ対応のみで開発経験が積めない |
| PMサポート | 補助業務のみで技術的なスキルが向上しない |
また、面接の際に配属先の業務内容を質問して、面接官がはっきりと回答してくれない場合も避けた方が良いでしょう。優良企業であれば、配属先の業務内容について具体的に説明してくれます。
SESの家電量販店から転職する方法
すでにSES企業に入社して家電量販店や携帯ショップに派遣されてしまった場合は、できるだけ早く転職先を探すことをおすすめします。エンジニアとしてのスキルを身につけられない環境にいても、時間を無駄にするだけです。
家電量販店から脱出するための方法は状況によって異なりますが、共通して言えるのは早めの行動が重要だということです。以下の3つの方法を検討しましょう。
- 転職先を探す
- 退職代行を利用する
- 転職エージェントに相談する
これらの方法を活用することで、エンジニアとしてのキャリアを再スタートできます。それぞれの方法について具体的に解説します。
転職先を探す
家電量販店や携帯ショップに派遣されている状況であれば、すぐに次の転職先を探し始めましょう。エンジニアとしての実務経験を積めない会社にいても、必要なスキルが身につかず、キャリア形成の機会を失うだけです。
- 在職中から転職活動を開始する
- IT研修が充実している企業を選ぶ
- 未経験者の育成実績がある企業を探す
- 配属先がエンジニア業務であることを確認する
- 短期離職になっても将来のために転職する
20代の若いうちであれば、未経験者を受け入れてエンジニアとして育成してくれる優良なSES企業は多く存在します。家電量販店での勤務期間が長くなればなるほど、転職市場での評価が下がってしまうため、早めの行動が重要です。
転職活動を始める際は、同じ失敗を繰り返さないよう、企業の研修制度や配属先の業務内容を十分に確認しましょう。不安な場合は、IT転職エージェントに相談して、信頼できる企業を紹介してもらうことをおすすめします。
退職代行を利用する
会社を辞めたいと思っても、辞めさせてくれない、辞めると言い出しにくいという状況であれば、退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職代行サービスは、あなたに代わって会社に退職の意思を伝え、退職手続きを進めてくれます。
- 会社に退職の意思を直接伝える必要がない
- 退職手続きを代行してくれる
- 即日から対応してもらえるサービスもある
- 弁護士や労働組合が運営しているサービスなら安心
退職代行サービスを選ぶ際は、必ず弁護士または労働組合が対応してくれる会社を選んでください。これらの退職代行サービスであれば、会社との交渉や法的な手続きも適切に進めてもらえます。
ただし、退職代行を利用して退職した後は、次の転職先を見つけるまでの期間や収入の問題が発生します。できれば転職先を決めてから退職する方が、経済的にも精神的にも安定します。状況によって最適な方法を選びましょう。
転職エージェントに相談する
家電量販店から転職する際に最もおすすめなのが、IT業界に特化した転職エージェントに相談することです。転職エージェントは、あなたの状況を理解した上で、適切な転職先を紹介してくれます。
- 現在の状況を相談できる
- 短期離職でも受け入れてくれる企業を紹介してもらえる
- エンジニアとして成長できる企業を厳選してくれる
- 応募書類の添削や面接対策をサポートしてくれる
- 退職から転職までのロードマップを一緒に考えてくれる
- 完全無料で利用できる
IT転職エージェントは、業界の実態を把握しているため、家電量販店に派遣するような悪質な企業を避けて、本当にエンジニアとして成長できる優良企業を紹介してくれます。未経験者の育成に力を入れている企業や、研修制度が充実している企業を選んでもらえます。
また、短期離職になることへの不安や、次の転職で失敗したくないという悩みにも親身に相談に乗ってくれます。転職活動から入社後のサポートまで、完全無料で利用できるため、家電量販店から脱出したい方は一度相談してみることをおすすめします。