SESの面談後に案件を断ることは可能?断り方やリスクなどを解説

SESの面談後に案件を断ることは可能?断り方やリスクなどを解説

SESで働くエンジニアにとって、クライアント企業との面談後に案件を断りたいと感じる場面は少なくありません。事前に聞いていた条件と実際の業務内容が異なっていたり、職場環境に不安を感じたりした場合、面談後に辞退したいと考えるのは自然なことです。

しかし、面談後に案件を断ることが本当に可能なのか、断った場合に給与や今後の案件紹介にどのような影響があるのか、不安に感じる方も多いでしょう。また、どのように伝えれば会社との関係を悪化させずに断れるのか、具体的な方法がわからず悩んでいる方もいるはずです。

この記事では、SESで面談後に案件を断ることの可否、断る際の適切な方法、断った場合のリスク、そして断った方が良いケースについて具体的に解説していきます。面談後の案件辞退で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

面談後でもSES案件を断ることは可能

面談後でもSES案件を断ることは可能

SESで面談後に案件を断ることは、法律上は可能ですが、所属する企業の方針や個人の状況によって対応が大きく異なります。ここでは、面談後に案件を断ることの可否について、法的な観点、企業ごとの対応の違い、断れる人と断れない人の違いという3つの視点から解説します。

  • 法的には面談後に案件を断ることが可能
  • SES企業によって対応が異なる
  • 断れる人と断れない人の違い

それぞれの視点を理解することで、自分が置かれている状況を客観的に判断し、適切な行動を取るための判断材料になります。法的な権利と実務上の制約の両面を把握しておくことが重要です。

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

法的には面談後に案件を断ることが可能

労働基準法の観点から見ると、SESエンジニアには職業選択の自由があり、面談後に案件を断ることは法律上認められています。SES契約は準委任契約であり、エンジニアは所属企業の従業員として雇用されているため、クライアント企業との面談はあくまで業務の一環です。

法的に認められている主なポイントは、以下の通りです。

  • 職業選択の自由が憲法で保障されている
  • 準委任契約では強制的な案件配置はできない
  • 労働条件が事前説明と異なる場合は拒否できる

ただし、法的に認められているからといって、無条件に何度でも断れるわけではありません。所属企業との雇用契約において、業務命令に従う義務が定められている場合が多く、正当な理由なく案件を繰り返し断ると、就業規則違反と判断される可能性があります。

SES企業によって対応が異なる

面談後の案件辞退に対する対応は、SES企業の方針によって大きく異なります。エンジニアの希望を尊重し柔軟に対応する企業もあれば、一度面談に進んだ案件は原則として断れないという厳しい方針の企業も存在するのが実情です。

企業タイプ 対応方針 特徴
エンジニア重視型 面談後の辞退も柔軟に対応 エンジニアの意思を尊重し、納得できる案件への参画を優先する。次の案件を提案してくれる。
バランス型 正当な理由があれば対応 条件の相違や職場環境の問題など、具体的な理由があれば辞退を認める。ただし頻繁な辞退は避けるよう求められる。
利益優先型 面談後の辞退は原則不可 営業コストや取引先との関係を重視し、面談に進んだ案件は必ず参画させようとする。辞退すると強く叱責される場合も。

自分の所属企業がどのタイプかを見極めるには、過去に他のエンジニアが案件を断った際の対応や、営業担当者との日頃のコミュニケーションから判断することが有効です。企業の方針を事前に理解しておくことで、面談後の対応を計画的に進められます。

断れる人と断れない人の違い

同じSES企業に所属していても、案件を断れる人と断れない人が存在します。この違いは主にスキルレベル、企業内での実績、そして市場価値の高さによって決まることが多いです。

断れる人と断れない人の特徴は、以下の通りです。

判断基準 断れる人 断れない人
スキルレベル 専門性が高く需要のある技術を持つ 未経験または汎用的なスキルのみ
実績 過去のプロジェクトで成果を出している 実績が少ない、または待機期間が長い
市場価値 他社からのオファーが期待できる 転職が難しい状況にある
企業との関係 普段から良好なコミュニケーションを取っている コミュニケーション不足または信頼関係が薄い

スキルの高いエンジニアは企業にとって貴重な存在であり、無理に案件を押し付けると退職されるリスクがあるため、希望が尊重されやすい傾向にあります。一方で、未経験や実績の少ないエンジニアは、企業側が「選り好みできる立場ではない」と判断し、案件の辞退を認めないケースが多いのが実情です。

面談後にSES案件を断る適切な方法

面談後にSES案件を断る適切な方法

面談後に案件を断る場合、伝え方次第で会社との関係や今後の案件紹介に大きな影響を及ぼします。適切な方法で断ることによって、営業担当者との信頼関係を維持しながら、次の案件につなげることが可能です。ここでは、面談後に案件を断る際の4つの重要なポイントを解説します。

  • できるだけ早く伝える
  • 断る理由を明確にする
  • 感謝の気持ちを伝える
  • 次の案件への意欲を示す

これらのポイントを押さえることで、一時的に案件を断っても、会社との良好な関係を保ちながら次のチャンスを得やすくなります。どのポイントも欠かすことなく実践することが、円満な案件辞退につながります。

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

できるだけ早く伝える

面談後に案件を断ると決めたら、可能な限り早く営業担当者に連絡することが最も重要です。時間が経過するほど、クライアント企業との調整や他の候補者の手配が難しくなり、会社に迷惑をかける度合いが大きくなります。

早く伝えるべき理由は、以下の通りです。

  • クライアント企業への影響を最小限に抑えられる
  • 営業担当者が代替のエンジニアを探す時間を確保できる
  • 誠実な対応として評価され、信頼関係の維持につながる
  • 自分自身も次の案件探しに早く着手できる

理想的なタイミングは、面談終了後24時間以内です。遅くとも48時間以内には連絡するようにしましょう。数日経過してから断ると、営業担当者はすでにクライアント企業に参画の意向を伝えている可能性が高く、トラブルの原因になります。

断る理由を明確にする

案件を断る際は、具体的で納得できる理由を伝えることが不可欠です。曖昧な理由や感情的な説明では、営業担当者の理解を得られず、今後の関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

説得力のある断り理由の例は、以下の通りです。

理由の種類 具体例
条件の相違 事前に聞いていた開発業務ではなく、テスト業務が大半だった
技術的なミスマッチ 使用する技術スタックが自分のスキルセットと大きく異なる
職場環境の懸念 面談で職場の雰囲気を確認したところ、長時間労働が常態化していると感じた
通勤の問題 実際の勤務地が想定より遠く、通勤時間が片道2時間を超える
キャリアの方向性 自分が目指すキャリアパスと案件の方向性が一致しない

理由を伝える際は、感情的にならず客観的な事実を基に説明することが重要です。また、クライアント企業や営業担当者を批判するような表現は避け、あくまで自分自身の状況や判断として伝えるようにしましょう。

感謝の気持ちを伝える

案件を断る場合でも、面談の機会を設けてくれた営業担当者やクライアント企業への感謝の気持ちを必ず伝えましょう。感謝の言葉を添えることによって、断る内容が相手に受け入れられやすくなり、今後の関係維持にも効果的です。

感謝を伝える際のポイントは、以下の通りです。

  • 面談の機会を設けてくれたことへの感謝を述べる
  • 営業担当者の調整業務への労力を認める
  • クライアント企業が時間を割いてくれたことへの感謝を示す
  • 丁寧な言葉遣いで誠意を表現する

例えば「今回は貴重な面談の機会をいただき、誠にありがとうございました。〇〇様には調整にご尽力いただいたにもかかわらず、このような結論となり大変申し訳ございません」といった表現が適切です。感謝と謝罪を組み合わせることで、断る内容がより受け入れられやすくなります。

次の案件への意欲を示す

案件を断る際は、今後も引き続き案件を紹介してほしいという意欲を明確に伝えることが重要です。次の案件への前向きな姿勢を示すことで、営業担当者に「今回は縁がなかっただけで、この人は働く意欲がある」という印象を与えられます。

次の案件への意欲を示す方法は、以下の通りです。

  • 希望する案件の条件を具体的に伝える
  • スキルアップのために取り組んでいることを共有する
  • 次回の案件紹介を楽しみにしていると述べる
  • 自分から定期的に状況を報告する姿勢を見せる

例えば「今回の案件は残念ながらお断りさせていただきますが、引き続きReactを使った開発案件がありましたら、ぜひご紹介いただけますと幸いです。現在はNext.jsの学習も進めておりますので、モダンなフロントエンド開発に携わる機会をいただければと考えております」といった形で、具体的な希望と学習状況を伝えると効果的です。

面談後にSES案件を断った際のリスク

面談後にSES案件を断った際のリスク

面談後に案件を断ることは可能ですが、それに伴うリスクも存在します。リスクを正しく理解したうえで判断することによって、後悔のない選択ができます。ここでは、面談後に案件を断った場合に、起こりうる3つの主なリスクについて解説します。

  • 次回以降の案件紹介の優先度が下がる
  • 待機期間中の給与が減る可能性がある
  • 会社との信頼関係が悪化する可能性がある

これらのリスクは、断り方や頻度、そして所属企業の方針によって影響の大きさが変わります。全てのリスクが必ず発生するわけではありませんが、可能性として認識しておくことが重要です。

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

次回以降の案件紹介の優先度が下がる

面談後に案件を断ると、営業担当者から見て「案件を選り好みする人」という印象を持たれる可能性があります。その結果、次回以降の案件紹介において、優先度が下がるリスクが存在します。

優先度が下がる具体的な影響は、以下の通りです。

影響の種類 具体的な内容
案件紹介の頻度 以前より案件の紹介が少なくなる、または連絡が来なくなる
案件の質 条件の良い案件は他のエンジニアに優先的に紹介され、残った案件のみが回ってくる
営業の熱量 営業担当者が積極的に案件を探してくれなくなる
待機期間 次の案件が決まるまでの期間が長くなる

特に、複数回にわたって案件を断った場合、この影響は顕著になります。営業担当者は限られた時間とリソースの中で多くのエンジニアをマネジメントしているため、確実に案件に入ってくれるエンジニアを優先するのは自然な判断です。

待機期間中の給与が減る可能性がある

案件を断った結果、次の案件が決まるまでの待機期間が長引いた場合、給与が減少するリスクがあります。SES企業の給与体系は、基本給と案件手当で構成されていることが多く、待機期間中は案件手当が支給されないためです。

給与への影響のパターンは、以下の通りです。

  • 案件手当がなくなり基本給のみになる
  • 待機期間が長引くと基本給も減額される場合がある
  • 賞与査定にマイナス影響が出る
  • 昇給の機会を逃す

例えば、月給が基本給20万円と案件手当10万円で合計30万円の場合、待機期間中は20万円に減額されます。待機期間が2ヶ月続けば、20万円の減収となり、生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。案件を断る前に、自分の給与体系と待機期間中の給与について確認しておくことが重要です。

会社との信頼関係が悪化する可能性がある

面談後の案件辞退は、営業担当者や会社に対して少なからず迷惑をかける行為です。頻繁に案件を断ったり、断り方が不適切だったりすると、会社との信頼関係が悪化し、長期的なキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。

信頼関係が悪化した場合の影響は、以下の通りです。

影響の領域 具体的な内容
社内評価 人事評価が下がり、昇給や昇格の機会を逃す
営業との関係 営業担当者が協力的でなくなり、希望が通りにくくなる
退職時の対応 退職を申し出た際に引き止めが強くなる、または逆に冷たい対応になる
転職時の影響 退職後の離職票発行や源泉徴収票の送付が遅れる、リファレンスチェックで不利になる

特に、理由を説明せずに一方的に断ったり、断る連絡を何日も先延ばしにしたりすると、信頼を大きく損ないます。会社との信頼関係は一度失うと取り戻すのが難しいため、断る場合でも誠実な対応を心がけることが不可欠です。

面談後にSES案件を断った方が良いケース

面談後にSES案件を断った方が良いケース

面談後に案件を断ることにはリスクが伴いますが、無理に参画することで長期的なキャリアや健康に悪影響が出る場合もあります。ここでは、リスクを承知の上でも、断った方が良いと判断すべき3つのケースについて解説します。

  • 提示された条件が事前説明と大きく異なる
  • 違法性のある業務を求められた
  • ハラスメントのリスクが高い現場だと判断した

これらのケースに該当する場合、短期的なリスクよりも、自分の権利や健康、キャリアを守ることを優先すべきです。無理に参画すると、より大きな問題に発展する可能性が高いため、適切に判断することが重要です。

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

提示された条件が事前説明と大きく異なる

面談で実際の業務内容や労働条件を確認した結果、事前に営業担当者から聞いていた説明と大きく異なっていた場合は、参画を断ることを検討すべきです。条件の相違を放置したまま参画すると、期待とのギャップからモチベーションが低下し、早期退場につながる可能性が高くなります。

条件が異なる代表的なケースは、以下の通りです。

項目 事前説明 実際の条件
業務内容 新規開発がメイン 保守運用が大半でコードを書く機会がほとんどない
使用技術 ReactやVue.jsを使ったモダン開発 古いjQueryベースのシステムの改修
勤務時間 定時退社が基本 月30時間以上の残業が常態化している
勤務地 都内の駅近オフィス 郊外の工場内で最寄り駅からバスで30分
役割 チームの一員として開発に参加 一人で全ての開発を担当する必要がある

このような条件の相違があった場合は、面談後すぐに営業担当者に事実を報告し、説明との違いを明確に指摘したうえで、参画を辞退する意向を伝えましょう。条件の相違は正当な辞退理由として認められやすく、会社側も理解を示すケースが多いです。

違法性のある業務を求められた

面談の中で、違法性が疑われる業務への従事を求められた場合は、即座に参画を断るべきです。違法な業務に関わると、自分自身が法的責任を問われる可能性があり、キャリアに取り返しのつかない傷がつくリスクがあります。

違法性が疑われる業務の例は、以下の通りです。

  • 個人情報を不正に取得または利用するシステムの開発
  • 著作権や特許権を侵害するコードの作成
  • 反社会的勢力との取引に関わるシステムの構築
  • 詐欺的な手法を用いたサービスの開発
  • 労働基準法に違反する勤務体制での業務

違法性を感じた場合は、曖昧にせず明確に断る意思を伝えることが重要です。また、所属企業の営業担当者にも具体的な内容を報告し、今後同様の案件を紹介されないよう要望を伝えましょう。もし会社が取り合わない場合は、労働基準監督署や弁護士への相談も検討すべきです。

ハラスメントのリスクが高い現場だと判断した

面談時のやり取りや職場の雰囲気から、パワハラやセクハラなどのハラスメントが発生しやすい環境だと感じた場合は、参画を見送ることを強く推奨します。ハラスメントは精神的・身体的な健康を著しく損なうリスクがあり、一度被害を受けると回復に長い時間がかかります。

ハラスメントのリスクを示すサインは、以下の通りです。

サインの種類 具体例
面談時の態度 高圧的な口調、人格を否定するような発言、プライベートに過度に踏み込む質問
職場の雰囲気 社員が疲弊している様子、怒号が聞こえる、極端に静かで暗い雰囲気
労働環境 長時間労働が常態化、休憩が取れない、有給休暇が取得できない文化
評判 インターネット上の口コミで複数のハラスメント報告がある

ハラスメントのリスクを感じた場合は、具体的な状況を記録に残したうえで、営業担当者に伝えて参画を辞退しましょう。「面談時の対応に不安を感じた」「職場環境が自分に合わないと判断した」という表現で伝えれば、詳細を説明しなくても理解を得やすくなります。自分の心身の健康は何よりも優先すべきです。

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