SESを退職する際の社内向けメール例文
SES企業を退職する際は、自社の上司や同僚に対して退職の挨拶メールを送る必要があります。退職メールは感謝の気持ちを伝える最後の機会となるため、丁寧な文面で作成することが重要です。
社内向けの退職メールは、最終出社日に送るのが一般的で、送るタイミングや送信方法にも配慮が必要です。以下では、状況別に3つのメール例文を紹介します。
- 最終出社日に送る一斉メール
- 上司への個別メール
- 同僚への挨拶メール
それぞれのシーンで使える例文を参考にして、自分の状況に合わせてアレンジしてください。
最終出社日に送る一斉メール
最終出社日には、社内の関係者全員に一斉メールを送ります。一斉メールでは、宛先をBccに設定して自分のアドレスをToに入れることによって、受信者同士のアドレスが見えないようにできます。
件名:退職のご挨拶(○○部 氏名)
○○部の皆様
お疲れ様です。○○部の○○(氏名)です。
私事で恐縮ですが、一身上の都合により本日○月○日をもちまして退職することとなりました。
本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となり失礼いたします。
入社してから○年間、至らぬ点も多々あったかと思いますが、皆様のご指導とご支援のおかげで多くのことを学ばせていただきました。
この会社で培った経験を活かし、次の舞台でも精進してまいります。
末筆ではございますが、皆様のますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
○○部 ○○(氏名)
上記の例文では、退職日と感謝の気持ちを簡潔に伝えています。一身上の都合という表現を使うことによって、詳細な退職理由を伝えずに済みます。
上司への個別メール
直属の上司には、一斉メールとは別に個別メールを送ることが望ましいです。上司との具体的なエピソードを交えることによって、より感謝の気持ちが伝わります。
件名:退職のご挨拶(○○部 氏名)
○○部 部長 ○○様
お疲れ様です。○○部の○○です。
一身上の都合により本日をもちまして退職することになりました。
○○部長には、入社当初から多くのご指導をいただき、SESエンジニアとしての基礎を教えていただきました。特に△△プロジェクトでは、技術面だけでなく顧客対応についても学ばせていただき、大変感謝しております。
いただいたアドバイスや激励のお言葉は、今後のキャリアでも大切にしてまいります。
末筆ではございますが、○○部長の一層のご健勝とご活躍をお祈りいたしております。
○○部 ○○(氏名)
個別メールでは、上司との印象的なエピソードや学んだことを具体的に記載します。直接話す機会があれば口頭でも伝えることが望ましいですが、メールでも十分に感謝の気持ちは伝わります。
同僚への挨拶メール
同じチームで働いた同僚には、個別にメールを送ることもできます。同僚向けのメールでは、一緒に働いた思い出や協力してもらったことへの感謝を伝えます。
件名:退職のご挨拶
○○さん
お疲れ様です。○○です。
本日をもちまして退職することになりました。
○○さんとは△△案件で一緒に仕事をさせていただき、困ったときにはいつも助けていただき感謝しています。
○○さんの丁寧な仕事ぶりと前向きな姿勢から、多くのことを学ばせていただきました。
今後も連絡を取り合えれば嬉しいです。退職後の連絡先は以下になります。
メール:xxx@xxxx.com
携帯:090-xxxx-xxxx
○○さんの今後のご活躍を心よりお祈りしております。
○○(氏名)
同僚向けのメールでは、カジュアルな文体でも問題ありませんが、感謝の気持ちはしっかりと伝えます。退職後も連絡を取りたい場合は、個人の連絡先を記載しても良いでしょう。
SESを退職する際の客先向けメール例文
SESエンジニアは客先に常駐して働くため、客先の関係者にも退職の挨拶をする必要があります。ただし、客先への連絡は自社の上司が行うのが一般的で、エンジニア本人が直接退職を伝える必要はありません。
客先向けのメールは、現場を退場する際の挨拶として送ります。退職については触れずに退場のみを伝えるか、上司が退職を伝えている場合は退職についても軽く触れる程度にします。以下では、2つのパターンの例文を紹介します。
- 退場時の挨拶メール
- 後任者紹介を含むメール
客先との関係性や状況に応じて、適切な例文を選んでください。
退場時の挨拶メール
客先から退場する際は、お世話になったことへの感謝を伝える挨拶メールを送ります。このメールでは、退職については触れずに退場のみを伝える形が一般的です。
件名:退場のご挨拶(株式会社○○ 氏名)
○○株式会社
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。株式会社○○の○○です。
この度、○月○日をもちまして貴社でのプロジェクトから退場することとなりました。
本来であれば直接ご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となり失礼いたします。
△△プロジェクトでは○年間お世話になり、貴重な経験をさせていただきました。○○様をはじめ、チームの皆様には多くのご指導とご協力をいただき、心より感謝しております。
今後の業務につきましては、弊社担当者より改めてご連絡させていただきます。
短い期間ではございましたが、ありがとうございました。
末筆ながら、貴社のますますのご発展と○○様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
株式会社○○
○○部 ○○(氏名)
退場時の挨拶メールでは、プロジェクト名や期間を具体的に記載します。客先との契約は会社間で結ばれているため、個人として退職を伝える必要はありません。
後任者紹介を含むメール
自社の上司が客先に退職を伝えている場合や、後任者が決まっている場合は、後任者の情報を含めたメールを送ります。このメールでは、業務の引継ぎがスムーズに行われることを伝えて、客先に安心感を与えます。
件名:退場のご挨拶と後任者のご紹介(株式会社○○ 氏名)
○○株式会社
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。株式会社○○の○○です。
この度、一身上の都合により○月○日をもちまして退職することとなり、貴社でのプロジェクトからも退場させていただくこととなりました。
○○様には△△プロジェクトにおいて大変お世話になり、多くのことを学ばせていただきました。
後任は同じ部署の○○が担当させていただきます。退場までにしっかりと引継ぎを行いますので、どうぞご安心ください。
後任者:○○
メール:xxx@xxxx.com
携帯:090-xxxx-xxxx
今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展と○○様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
株式会社○○
○○部 ○○(氏名)
後任者の情報を記載する際は、名前だけでなく連絡先も明記します。引継ぎがしっかり行われることを伝えることによって、客先の不安を軽減できます。
SESを退職する際に送るメールのマナー
SES企業を退職する際のメールには、守るべきマナーがいくつか存在します。これらのマナーを守ることによって、円満に退職できて良好な関係を保ったまま次のキャリアに進めます。
退職メールのマナーとして、以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。これらのポイントを意識してメールを作成すれば、相手に失礼のない退職メールを送れます。
- メールを送るタイミング
- 件名と本文の書き方
- 避けるべき表現
各ポイントについて詳しく解説していきます。
メールを送るタイミング
退職メールを送るタイミングは、社内向けと客先向けで異なります。社内向けのメールは最終出社日に送るのが一般的で、朝の業務開始前や終業時刻の1時間前に送信します。
| メールの種類 | 送信タイミング |
|---|---|
| 社内向け一斉メール | 最終出社日の終業時刻1時間前 または翌朝の始業時刻 |
| 上司への個別メール | 最終出社日の午前中 直接挨拶した後でも可 |
| 客先向けメール | 退場日の1週間前から前日まで 自社上司と相談して決定 |
客先向けのメールは、退場日の1週間前から前日までに送信します。ただし、自社の上司が客先に退職を伝えるタイミングと合わせる必要があるため、事前に上司と相談してから送信しましょう。
件名と本文の書き方
退職メールの件名は、一目で内容が分かるように簡潔に設定します。件名には「退職のご挨拶」や「退場のご挨拶」という言葉と、自分の所属部署や氏名を含めます。
本文では、退職日や退場日を明確に記載して、感謝の気持ちを丁寧に伝えます。本文の構成は、挨拶から始まり退職の報告、感謝の言葉、今後の抱負、結びの挨拶という流れが基本です。
- 冒頭の挨拶で相手への敬意を示す
- 退職日や退場日を具体的に記載する
- メールでの連絡になったことへのお詫びを添える
- 具体的なエピソードを交えて感謝を伝える
- 相手の今後の活躍を祈る言葉で締める
文章は読みやすく簡潔にまとめて、長すぎる文章は避けます。特に一斉メールでは、全員に共通する内容のみを記載して、個人的な内容は個別メールで伝えるようにしましょう。
避けるべき表現
退職メールでは、相手に不快感を与える表現や誤解を招く表現を避ける必要があります。会社への不満や愚痴、同僚への批判などネガティブな内容は一切書かないことが重要です。
退職理由については、詳細に書かずに「一身上の都合」という表現を使うのが無難です。具体的な退職理由を書くと、引き止めの材料にされたり、後々トラブルの原因になったりする可能性があります。
| 避けるべき表現 | 理由 |
|---|---|
| 会社への不満や愚痴 | 円満退職を妨げる 会社の評判を下げる可能性がある |
| 具体的な退職理由 | 引き止めの材料にされる トラブルの原因になる |
| 転職先の情報 | 守秘義務違反になる可能性 不要な詮索を招く |
| 個人的な連絡先(客先向け) | 会社間の契約違反の可能性 トラブルの元になる |
また、転職先の企業名や業界についても記載しないことが望ましいです。守秘義務の観点からも、転職先の情報は社内の限られた人にのみ伝えるようにしましょう。