SESの帰社日がいらないと感じる理由を解説

SESの帰社日が不要だと感じる理由

SESエンジニアの多くが、月1回程度の帰社日に対して疑問を抱いています。客先常駐という働き方の特性上、自社に戻る機会は貴重に思えますが、実際には負担やストレスを感じるケースが少なくありません。

帰社日が不要だと感じる主な理由は、以下の3つです。それぞれに具体的な背景があり、エンジニアの働き方に直接影響を与えています。以下では、これらの理由について詳しく解説していきます。

時間と交通費の負担が大きい
業務に支障が出る
形式的で意味がない

各理由について、詳しく解説していきます。

時間と交通費の負担が大きい

帰社日は、通常の業務が終わった後の夕方や、業務時間中の午後から開催されることが多く、エンジニアにとって大きな時間的負担となります。客先常駐先から自社オフィスまでの移動時間を考慮すると、1日がかりのイベントになることも珍しくありません。

特に遠方に常駐しているエンジニアにとっては、交通費の負担も無視できない問題です。企業によっては、帰社日のための交通費が支給されないケースもあり、自己負担となることがあります。さらに、残業代や手当が支給されないことも多く、時間と金銭の両面で負担を感じることになります。

業務に支障が出る

帰社日が設定されている日は、客先常駐先での業務を調整する必要があるため、プロジェクトの進行に影響を与えることがあります。特に納期が迫っているプロジェクトや、トラブル対応が必要な時期に帰社日が重なると、業務効率が低下してしまいます。

クライアント企業との調整も必要になるため、帰社日のために現場を離れることを説明しなければならず、気まずい思いをするエンジニアも少なくありません。結果として、帰社日が業務の妨げになっていると感じることが多くなります。

形式的で意味がない

帰社日では、社内報告会やリーダー報告会、技術発表会などが開催されることが一般的ですが、内容が形式的で実務に役立たないと感じるエンジニアが多く存在します。会社の業績報告や他のプロジェクトの状況説明は、自分の業務とは直接関係がないため、興味を持てないことが多いのです。

また、レクリエーションや懇親会が開催されることもありますが、月に1回しか会わない同僚との交流は、実際の業務に影響を与えることはほとんどありません。客先常駐先での人間関係の方が重要であるため、自社の社員との交流に時間を割くことに疑問を感じるエンジニアも多くいます。

SESの帰社日における具体的なデメリット

帰社日には、エンジニアにとって無視できない複数のデメリットが存在します。単なる時間的負担だけでなく、精神的なストレスや評価への影響など、働き方全体に関わる問題が含まれています。

以下の3つのデメリットは、多くのSESエンジニアが実際に経験している問題です。それぞれの内容を理解することによって、帰社日がなぜ不要だと感じられるのかが明確になります。

強制参加によるストレス
帰属意識が高まらない
評価への影響

各デメリットについて、詳しく解説していきます。

強制参加によるストレス

帰社日は任意参加とされている企業もありますが、実際には暗黙の強制参加となっているケースが多く見られます。不参加を続けると、社内で孤立したり、同僚との関係が悪化したりするリスクがあるため、参加せざるを得ない状況に追い込まれます。

特にコミュニケーションが苦手なエンジニアにとっては、懇親会やレクリエーションへの参加が大きなストレスとなります。業務後の時間を拘束されることで、プライベートの時間が削られ、ワークライフバランスが崩れることも少なくありません。

帰属意識が高まらない

帰社日の目的の1つは、エンジニアの帰属意識を高めることですが、実際には月1回程度の集まりでは帰属意識が向上することはほとんどありません。客先常駐先での業務が中心となるため、自社との一体感を感じることは難しいのです。

むしろ、形式的な帰社日に参加させられることで、自社への不信感や不満が増すこともあります。帰属意識を高めるためには、日常的なコミュニケーションやサポート体制が重要であり、単発のイベントでは効果が薄いと言えます。

評価への影響

帰社日への参加状況が、エンジニアの評価に影響を与える企業も存在します。技術力や業務成果ではなく、帰社日への出席率や社内イベントへの貢献度で評価されることは、エンジニアにとって納得のいかない仕組みです。

特に、客先常駐先での業務で高い成果を上げていても、帰社日に参加しないことで評価が下がる可能性があるため、不本意ながら参加せざるを得ない状況が生まれます。このような評価制度は、エンジニアのモチベーション低下や離職につながることも少なくありません。

帰社日がないSES企業という選択肢

近年では、帰社日を設けないSES企業も増えてきています。これらの企業では、エンジニアの負担を軽減し、より柔軟な働き方を実現するために、帰社日を廃止したり、オンライン化したりする取り組みを進めています。

帰社日がない企業を選ぶことには、明確なメリットがあります。以下では、帰社日なしで働く利点と、そのような企業を見分けるポイントについて解説していきます。

帰社日なしで働くメリット
帰社日がない企業の見分け方

各ポイントについて、詳しく解説していきます。

帰社日なしで働くメリット

帰社日がないSES企業で働く最大のメリットは、時間と交通費の負担がなくなることです。業務終了後に自社に移動する必要がないため、プライベートの時間を確保しやすくなり、ワークライフバランスが改善されます。

また、帰社日のために業務を調整する必要がなくなるため、客先常駐先でのプロジェクトに集中できます。形式的なイベントに参加するストレスからも解放され、精神的な負担が軽減されることも大きな利点です。さらに、帰社日への参加状況で評価されることがないため、純粋に技術力や業務成果で評価される環境が整います。

帰社日がない企業の見分け方

帰社日がないSES企業を見分けるためには、面接時に社内イベントや帰社日の有無を直接確認することが重要です。企業のホームページや求人情報に記載されていない場合も多いため、面接で質問することをおすすめします。

確認項目	質問例
帰社日の有無	月に何回程度、自社に戻る機会がありますか
参加の強制度	帰社日は任意参加ですか、それとも必須参加ですか
オンライン対応	帰社日はリモートで参加することも可能ですか
交通費支給	帰社日のための交通費は支給されますか